(介護保険制度が作られた背景)                                                                       介護保険制度は高齢化が進む事により、要介護者が増えたり、介護をしなければいけない期間の長期化を想定して作られました。単に高齢者が増えていくだけでなく、核家族化もより顕著になっていき、これまで要介護者を支えてきた家族の状況も以前とは大きく変化しています。それらを踏まえて考えてみると、従来の老人福祉制度や老人医療制度では対応が難しくなっていくと考えられる様になったことが介護保険制度を作る背景にあります。         (介護保険制度の基本的な考え方とは)                                                                        介護保険制度は高齢者を社会全体で支え合っていく仕組みで1997年に介護保険法が成立し、2000年に施行されました。介護保険制度は自立支援、利用者さま本位、社会保険方式という考え方を根底に持っています。自立支援とはその言葉どおりで身の回りの世話をするだけでなく自立支援をサポートすることです。そしてご利用者さまが多岐にわたるサービスから選択し、総合的な介護・医療サービスを受けられるようにするために生み出されたものでもあります。  (従来の制度と介護保険制度の違い)                                                                      ●従来の制度  従来の制度では行政窓口に申請することで市町村が受けるサービスを決め、医療と福祉は申請窓口が別々でした。また市町村や社会福祉協議会などの公的な団体が提供するサービスを提供することが前提となっていました。さらに中高所得者はご利用者様の負担が大きかったため、利用するハードルが高いという課題も改善点の一つだと言われていたのです。                                                         ●介護保険制度                                                                              介護保険制度の場合は、ご利用者さま自身が受けるサービスの種類や事業所を選ぶことができます。またケアマネージャーが介護サービスを利用するためのケアプランを作ってくれるので、福祉サービスだけでなく利用サービスも含めて総合的な利用が可能になっています。民間企業や農協、生協、NPOなど様々な事業者が提供するサービスを利用でき、所得に関係なくご利用者さまの負担が基本的に1割という点も大きな変更点です。