日本介護福祉士会 全国大会/日本介護学会 in いしかわ にてポスター発表を行いました
演題:線香を用いた匂いレクリエーションによる高齢者の感情変化
発表者: 〇石田 敦子, 神保 智一, 吉村 仁志
はじめに
☞嗅覚を司る脳領域は記憶や情動に関与する海馬や扁桃体と結びついている
☞加齢や認知機能と嗅機能との関連性が示唆されている
☞アロマテラピーを用いたレクリエーションも多い
線香を用いた匂いレク前後の高齢者の感情変化を検討することが目的
匂いレク
・香道の技法や道具を参考
・香道:香木を焚き、その香を聞き(嗅ぎ分けること)、香を味わい、香をあてて楽しむ伝統芸道
結果
・「楽しさ」の有意な向上が認められ、「寂しさ」については有意な低下が認められた(p<0.05)
・「なごみ」、「不安感」、「愉快」などの感情についても変化が大きかった
・匂いレクは加齢による心身機能や認知機能だけでなく、感情面へもポジティブな効果が得られる可能性が示唆された
・認知症がありすぐに健忘してしまう利用者様から、レク翌日に「昨日はありがとう」と声掛けいただいた
まとめ
☞日本伝統芸道由来の匂いレクの企画・運営を行った。
☞匂いレク実施後に参加者の楽しさが増加し、寂しさが減少した。
今後の課題
☞重度認知症者には回答カードなどの取り扱いが困難であった。
☞出題の難易度が高すぎて正答数が伸びなかった。
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☞認知症重症度別の匂いレクの構築
☞今回正答数の多かった匂いや、新たな線香の種類の導入