世間的には「免疫を高めよう」って叫ばれておりますが、免疫学ではそれを「免疫賦活」といいます。それなら、全ての免疫細胞が活性化すればいいのかと思われがちですが、免疫には「有益な免疫」と「有害な免疫」が存在するため、全ての免疫細胞が活性化すると「有害な免疫」も活性化されるので、ここでいう「免疫賦活」とは厳密には「有益な免疫を高めて、有害な免疫を抑える」ということになります。

ネットで免疫賦活や免疫を高めるという言葉を検索すると、健康食品の情報がたくさんヒットすると思いますが、その多くが微生物(菌)由来です。その作用は「ダミーの敵を想定した、腸管にいる免疫細胞の訓練」とでもいいましょうか。具体的には小腸のパイエル板に存在する免疫細胞が訓練されています。また、粘膜免疫にはIgA(免疫グロブリンA)という抗体が関与しており、これが病原微生物に対する排除効果のある物質です。

現在、免疫賦活が期待できそうな食品として、きのこ系、乳酸菌や発酵食品等が販売されております。これらは栄養免疫や食品免疫といった領域で研究されております。多様な効果のある食品が摂れるといいですが、食べ過ぎは注意です。現代においては抗生物質やワクチンの普及で感染症の脅威が劇的に減りましたが、楽しみの1つとして食品からご自身の免疫を見直してみてはいかがでしょうか。